shimotsu tech

Webフロントエンドエンジニア @ to-R inc.

『Web配信の技術』を読んだ

『Web配信の技術』を読みました。

フロントエンドエンジニアとして働いているので、プロダクションレベルでがっつり配信周りの環境を構築したことはないのですが、昨今かかわるWebアプリケーション開発において CDN を利用しないことはほぼないので、そのあたりの理解を深めようと思ったのが、本書を手にとったきっかけです。

本書はメインテーマをWeb配信の関連技術とし、基礎的な知識の共有からはじまり、適切な Proxy/CDN の設定にいたるまで網羅的に細かく書いてあります。特に、紙面の大部分を「キャッシュ」に割いており、「キャッシュについてそこまでほとんど意識したことがない」という初心者にとっても分かりやすい構成になっていると思います。

自分自身まさにそのタイプの初心者で、Web制作が主戦場のフロントエンドエンジニア → Webアプリケーション開発が主戦場のフロントエンドとしてキャリアを歩んできているので、正直これまでそこまでキャッシュについて気を配ってきた意識はありませんでした。あるとしても、制作物のレビュー時にブラウザに残っているキャッシュをクリアするときだったり、とかその程度。関わっているプロジェクトで CloudFront を扱っていたりはするけど、構築するのはインフラエンジニアであって、自分はたまに確認する程度、みたいな感じです。

そういう自分にとって、cache-control: no-cache についての誤解や、プライベートなキャッシュとパブリックなキャッシュの違いなど、素人がまんまとハマりそうな落とし穴について丁寧に解説してくれているのが助かりました。そもそも、cache-control フィールドは一発で理解するのがなかなか難しいと思うし、Proxy/CDN が存在する場合はそれらがクライアント or サーバの両方の立場を取りうるので、その点も結構ややこしいということを知りました。

ぶっちゃけ CDN の細かい利活用の話(6章)〜自作CDNの話(7章)あたりはざーっと目を通した程度ですが、それでも1〜5章まででだいぶ読む価値はあると思います。

というわけで、キャッシュのことをそこまで深く理解していないフロントエンドエンジニアにとっては必読といえる良書なんじゃないかな〜と思いました。